紙は厚いし文字数は少ないので、小1時間で読み終えることができる。あとがきまで含めても167ページなので、何か新しいことを始めたいと思っているのならば、とりあえず読んでみるといいかもしれない。
内容は帯に書いてあるほど「型破り」というわけではない。そこそこの規模の会社なら新規事業への投資は、何かの形で経験しているだろうが、それにまつわるあるある話がわかりやすく整理されている。
読者が新規事業に携わるのがはじめてならば「へぇーそんなものか」となるだろうし、経験者ならば「ああ、あるある」ということになるだろう。
私自身、大手企業で社内の新規事業のスタートに一度、また別のプロジェクトの立ち上げに一度関わったあとに、社内企業を経験しているので、「ああ、なるほど」という感じ。
ただ、あまりにも簡単にまとめられているので、読みやすいと思った反面、ちょっと物足りなさを感じた。
序章に
まず、第一弾としては読みやすく理解しやすくあるべきだと考え、あまりに細かく書くのはやめました。と、書かれているので、この物足りなさを埋めるにはこの本の続編を読むしかないのかもしれない。
また、少し斜に構えると、実務の話がほとんど書かれていないので、バブル期に学生ベンチャーとしてIT企業を興した人が、ITブームに乗って成功をおさめたものの、実務のオペレーションが得意でなかったのか、結局、あちこちの起業話にばかり首を突っ込むコンサルになって、自分の成功体験を語っているだけ……というふうにも読めてしまうので注意しよう。
ここは素直に「よくまとまって読みやすい本だ、自分の事業の参考にしよう」と考えたほうが、自分にとっても自分の会社にとってもきっとプラスになるはずだと、大人の理性で解釈すべき。
起業にかける熱い思いを著者批判に向けるのは間違っている。
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