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2010年9月14日火曜日

Ubuntu 10.04 LTS に TeX環境を簡単インストール

さすがUbuntuと言うべきか。TeX環境が思いのほか簡単にインストールできたので報告する。
TeX関連の環境設定は、全く何をどうすればいいのか、OSやディストリビューションが変わるたびに、毎回、試行錯誤をしながらトライ&エラーを繰り返すことになる。
最近は、高機能なワープロがUNIX環境でも動くので、普段の業務でTeXを使う必要は無くなっている。
テキストを処理してTeXで出力すれば美しい添付資料になるだろうなと思うときは何度かあったが、TeX関連のインストールが面倒だったし、その手のテキスト処理のスクリプトを書いている時間もないし、マウスを使ってコピペコピペでごまかしていた。
しかし、どうやらいまだに論文はTeXを使うのが前提となっている学会も多いらしい。簡単な論文を依頼されたのだが、論文を書くつもりなら当然TeXは使えますよねと言わんばかりの勢いで、eメールでTeXの雛形が送り付けられてきた。
しかも、TeXって便利ですよね的な雑談まで添えられている。有無を言わさぬつもりらしい。
まったく……、研究者という肩書きを持った方々は頭が硬くて困る。

愚痴ばかり言っていても仕方ないので、手を動かすことにした。
そしたらどうだろう。意外に簡単にインストール出来てしまった。
以下に、簡単に手順を示す。

まず、ここ
(https://wiki.ubuntulinux.jp/JapaneseLocalizedDerivative/LaTeXForJapanese)を参考に、端末を開いて以下の3つのコマンドを実行すればよい。

sudo apt-get install latex-env-ja
sudo apt-get install latex-extra-ja
sudo jisftconfig add

これで、"platex test.tex"などと実行すると、ちゃんとdviファイルを吐いてくれる。
ただし、漢字コードはEUCのみ対応なので、UTF-8が標準のUbuntu環境では少し気を使わなければいけないかもしれない。
もし、使い慣れたテキストエディタがUTF-8しか対応していないようなら、nkfをインストールして、"nkf -euc test.tex > test_euc.tex"などとすればEUCコードに変換できる。
xdviで仕上がりを確認して、TeXのソースのみでやりとりが済むのであればこれでOKである。
もしも、PDFデータも合わせて提出しろなどという暴君めいた指示を出す学会を相手にするならば、もう一手間必要になる。
このまま、"dvipdfmx test.dvi"を実行すると、以下のようなエラーメッセージを吐いて異常終了してしまう。

-----
$ dvipdfmx test.dvi
test.dvi -> test.pdf


** WARNING ** Failed to load AGL file "pdfglyphlist.txt"...
** WARNING ** Failed to load AGL file "glyphlist.txt"...
[1
kpathsea: Running mktexpk --mfmode / --bdpi 600 --mag 0+555/600 --dpi 555 rml-jis
mktexpk: don't know how to create bitmap font for rml-jis.
kpathsea: Appending font creation commands to missfont.log.


** WARNING ** Could not locate a virtual/physical font for TFM "rml-jis".
** WARNING ** >> There are no valid font mapping entry for this font.
** WARNING ** >> Font file name "rml-jis" was assumed but failed to locate that font.
** ERROR ** Cannot proceed without .vf or "physical" font for PDF output...


Output file removed.
-----

これを避けるために、このあたり
(https://bugs.launchpad.net/ubuntu/+source/texlive-base/+bug/581770)を参考に、以下の処理を行う。

cd /etc/texmf/dvipdfmx
sudo cp -p dvipdfmx.cfg dvipdfmx.cfg_org
sudo vi dvipdfmx.cfg
ファイルの最終行に"f jis-cjk.map"を追加。


mkdir ~/.texmf-var
mkdir ~/.texmf-var/fonts
ln -s /var/lib/defoma/gs.d/dirs/CMap ~/.texmf-var/fonts/cmap

これで、dvipdfmxが通るようになる。
多少ウォーニングメッセージが出るようだが、実用上問題にならないだろう。




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